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ラ​ム​ネ​瓶

by パプリカ安藤

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    Purchasable with gift card

     

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2.
窓越しの籠った蝉の鳴き声と 2度目のアラームに頬をつねられ 唐突に消えるかりそめの理想郷 着地点は冷房つけっぱの 昨日の夜より明るいだけの自室 実質添い寝のお供のペットボトル ラベルに書かれた2021 あの時の空気閉じ込めたままで でも変わらずに時は流れ 時刻不明の部屋の中で 天井見上げた視界の隅に映る 破り忘れたカレンダー 寝ぼけ壁にぶつかって 記憶から飛ぶ通過点 でも見えてる分は掴んで 夢に半分浸かって 風鈴,花火,あの子の記念日 空気の中に微睡む非現実
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ラムネ瓶 05:09
あれは夏の日 都会から少し離れた地元街に帰る 昔懐かし の駄菓子屋の冷蔵庫 きらり輝くスカイブルー の思い出の ラムネ瓶 持って向かうレジ おばちゃんの口元浮かぶ笑み 力加え落ちる玉漏れる炭酸 今夏バテの自分が溶ける感覚 「中のビー玉邪魔じゃね?」「でも綺麗だし取れたら欲しくない?」 無邪気なガキだったあの頃の 「普通」が今じゃ黄ばんだ過去の思い出 憧れの「大人」ってやつは 光浴びてキラキラと輝いてた でもその「大人」の自分は くぼみ越えられずに未だ瓶の中 あの頃すごいほしかったヒーローのベルトも買えてしまうのにな あの頃行きたかったハワイも休みが取れれば行けちゃうのにな でもあの頃夢見ていた「自由」ってやつは今でも何かわからないな 帰り道のラムネが贅沢だったあの頃に戻れたらいいのにな 寄り道禁止の帰り道 土産屋のラムネ ここじゃ危ねえって笑った声は忘れたけど残る自撮りのレンズフレア 大人がそんなに怖かったんかね?ガキは分かんねーや 胸につかえたビー玉だって思いだせねーや それでも誓ってあたしは変わらない 何を見たって希望は壊れない 取り出せないビー玉は底に落とす 消えない傷跡をここに残してさよなら うまく飲み込めない日々 さよなら、青春と呼ばれる日々 さよなら、二度とは帰れない日々 さよなら、 あの頃すごい欲しかったDiorのリップも今はマスクの下 あの頃目指した東京をギリ俯かないように歩き出した あの頃夢見ていた自由ってやつが有り得ないことだけ分かっても 帰り道のラムネが贅沢だったあの頃に戻るわけにはいかないんだ 夕暮れ提燈照らす境内の本堂、ラムネ飲み交わす乾杯の音頭 は憧れた「大人」になるための儀式 仮初めのキレだって、喉越しは絶好の響き 「邪魔だ」って底に落としたビー玉 「もう手伸ばしたって届かねえや。」 ラムネ瓶共鳴する光はとうに霧散、日常は抜けたような炭酸 割り捨てられない空っぽの瓶、今も中覗くあの懐かしのスカイブルー。 走馬燈過ぎる僕の人生は祭りの後 露店傍並ぶ未開封のラムネ 怖気付いて開けられないまま。 あの頃誓った憧れの大人に僕たちはなれたのかな あの頃描(えが)いていた理想を僕たちは叶えられたのかな あの頃夢見ていた「自由」ってやつは今でも何かわからなくても 帰り道のラムネが贅沢だったあの頃に戻るために あの頃ガラスケース越しに見ていた時計も買えてしまうのにな あの頃飲めなかったワインも今では毎日飲めちゃうのにな あの頃夢見ていた「自由」ってやつを取り返せはしないだろうな 帰り道のラムネが贅沢だったあの頃なら何を思うのかな
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知恵の実は一日ひとつまで それ以上は過剰と分かるまでにアダムは7か月 イヴはまだオーブンの温度すら知らない 果ての庭は浄土とも呼ばれるが大抵は脚から擦り切れる 熱狂は途切れ未練となる それ以降は誰一人知らない 本能は炎として脳から心の臓を焼き焦がす 全能にNOと突きつける技能を得る 蟲毒に勝ち抜く力が要る  あと少し残ってもいいですか?あたし蒸し返す夏が嫌いで 欺瞞を生む太陽が嫌いで 嫌なら気にしないで じゃあね、また秋に ニライカナイには行かない 未来がないとは言わないと誓って此岸にタイトに根を張る 彼岸に愛はないと願えばいい ハイサイ 慣れない炎天下を生き抜く 孤独と熱狂を渡り歩くこと2万里 見たもの知ったことを覚え書く 当てつけみたいに言葉描く 終末 繰り出すとこもなくて通常ぬるい不夜城のネオンの獣と戯れる 七回の鐘が鳴ったら終電で帰る 虚空が凍てつく千年が来る 末法の王を撃ち落とすため今は明星に手を合わす オーブンが鳴ったみたいよ

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released October 1, 2022

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パプリカ安藤 Tokyo, Japan

自由電子音楽ユニットby880、かめP、麻樹菜

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